【ゆっくり怪談朗読】いま話していたのは?【第4話】
【ゆっくり怪談朗読】いま話していたのは?【第4話】
昔なんだけど、
友達と地元の神社の祭りに行った時の話。
そのころ俺は中学生で、
まぁ、無茶もやってしまうような好奇心旺盛な少年だった。
俺は友達を誘って、
神社の奥にある暗い道に行こうと言った。
その暗い道っていうのは、
昔からよくない噂が絶えないような、
いわば心霊スポットといわれるような場所だった。
もちろん友達もそのことを知っていて、
「いやだよ、俺はあんな場所行きたくない。」
なんていっていた。
「ばか、男なら行ってみなきゃいけないんだよ。」
って俺は説得して、
嫌がる友達をむりに連れてその道に入った。
その道は本当に真っ暗で何も見えなくて、
雑木林になっていて、
気温は夏なのにやけに低いし、
生き物の声さえしない。
何も知らない人が来たって、
ここは嫌な場所だと思うような感じだった。
「なぁ、もう帰らない?」
怖くなったのか友達はそう言った。
けれども、俺は一度行くと言った以上
完全に見て回るまでは帰りたくなかった。
「嫌だよ、まだ見るんだよ。」
「俺もう怖いよ。もう帰っていいか?」
そう言って、友達は走ってどっかに行ってしまった。
どうしようもないヤツだなと俺は思いながら、
しばらく雑木林の中を探索し続けた。
しばらくすると
暗がりの中かどこからかわかんないけど
友達の情けない声が聞こえてきた。
「なぁ、こうゆう怖いところに冗談半分で入ると、
出るっていうじゃん、やめとけよ。」
「はっ、お前、帰り道すら怖いのか?情けないなぁ。」
「出るわけないだろーが!」
それでもやつはしつこく続けた。
「いや、出るらしいよ…。」
まだそんなねぼけたこと言ってるのかって
俺は苛立って友達を無視した。
無視してしばらく歩いているうちに
ある違和感に気がついた。
・・・・・ん?
さっきの声だけど友達の声じゃねーなぁ…。
俺は急に背筋が寒くなって、
怖くなってそんな時にまた声が聞こえた。
「だから俺がもう出てるじゃねーか」