御恐のゆっくり怪談朗読

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【ゆっくり怪談朗読】弟への電話【第38話】


【ゆっくり怪談朗読】弟への電話【第38話】


晩御飯を食べ終え
家族みんなでテレビをみていた八時頃。

小学生の弟が急に立ちあがり、
電話に向って歩き始めた。

弟は自分から誰かに
電話するようなことはまずなかったので、
「誰に電話するんだろう」と
家族みんなでなんとなく弟に注意をむけていた。

すると、
弟は受話器を取ると
番号も押さずに誰かと話し始めた。

「え? そうですか……はい…。」

弟はそれだけ言って受話器を下ろし、
こちらに向いた。

「おばあちゃんが死んだって。」

僕らは慌てたが、
祖母のいる病院に念の為に電話してみると、
ついさっき、
それも5分くらい前に息を引き取ったと告げられた。

「これから電話を差し上げようとしていたところ」と
病院の事務員のほうが驚いていた。

僕らは何がなんだかサッパリわからず
弟を問い詰めたが、
弟はキョトンとしてこう言った。

「だって、電話が鳴ってたのに
だれも出ないから僕が出ただけなのに!」

もちろん僕らは誰も電話のベルなんて聞いてない。

それで、
誰からの電話だったのかと聞くと、

「わかんない。知らない女の人の声で
『おまえのおばあさんが死んだよ』っていわれた。」

我が家では、
それ以来弟が電話を掛けようと
立つたびにビビリます。