御恐のゆっくり怪談朗読

御恐がこれまでにYouTubeに公開した動画をテキストと共に紹介するブログ

【ゆっくり怪談朗読】音か声か【第3話】


【ゆっくり怪談朗読】音か声か【第3話】

もう15年以上前、大学生だった頃。

友達に肝試しに誘われ、
車で山の中にある林の近くに行きました。

夜10時か11時ごろだったと思います。

2人1組でため池の横を通り、
林まで行って帰ってくるだけの簡単なルール。

懐中電灯を持って、
ひとつ下の後輩と進んでいくと、

「○○さん(私)、なにか聞こえませんか?」
と後輩。

促されて耳をすますと、
池の方から何かが聞こえるのに私も気づきました。

まるで男性が低い声で呻いているような音。

蛙や鳥の鳴き声かな?とも思ったのですが、
こんな声で鳴く蛙や鳥はちょっと記憶にありません。

しかし聞こえてくる方向は真っ暗な池の方角、
そして、どうも私たちの膝より下の方から聞こえてきます。

もしこれが人間の声だとしたら、
その人物は夜10時に真っ暗な池の中で
肩まで浸かって顔だけを出して呻いていることになります。

私たち2人は懐中電灯で、
音の聞こえてくる方向を照らし、
一体何の音なのか確認しようとしましたが、
結局何も見えませんでした。

その後も、
そのまま肝試しを続けてましたが、
音はずっと同じ調子で聞こえ続けていました。

しかし、他の組のメンバーは
誰もそんな音は聞かなかったとのこと…。

いまだにあの音が何だったのか分かりません。
どうして私達だけに聞こえたのでしょうか…。