御恐のゆっくり怪談朗読

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【ゆっくり怪談朗読】霊感があるふりをすると【第8話】


【ゆっくり怪談朗読】霊感があるふりをすると【第8話】


絶対にやってはいけない事があります。

それは、霊感がないのにあるふりをする事。

ある霊能力者の方に聞いたんですが、
霊が一番怒る事らしいんです。

ある大学生の女の子で、
霊感がないのに霊感があるふりをする女の子がいたそうです。

サークルでみんなでキャンプに行った時も、
みんなが集まってその子が怪談の話をしたそうです。

「この前こんな事があってね…。」

その女の子は霊感があるように話しをするんです。

そして、その彼女は盛り上がってくると
決まってこうやって言うんです。

「こういう話をしてると…集まってきちゃうんだよね。」
「きてるよ!そこ来てる!!!!」
「あの森の木陰の中から…男の霊がずっとこっちを睨んでる。」

そういうと、みんなが悲鳴をあげるんです。

それをまた面白がって見ている彼女。

「大丈夫大丈夫、わたしがお祓いしてあげるから。」

霊感がないのに見えてもいないのに、
勝手な事を言うんです。

ひとしきり盛り上がって、
みんなが自分のテントに戻ろうと準備をしていると、
その彼女のところへ1人の女の子が走り寄ってきたんです。

「どうしたの?」とその女の子の顔を見ると、
すごく怒った顔をしているんです。

そして一言こういうんです。

「あなた、霊感なんてないでしょう?」

彼女はぎくっとしたんですが、
認めるわけにはいかないんで、
「何言ってるの? なんでそう思うの?」と言ったんです。

聞いたら彼女は、こう言ったそうです。

「あなたはさっき『あの木陰から男の霊がこっちを見ている。』って言ったでしょう?」
「そんな霊はいなかったよ。」

(うああ…本当に霊感のある見える人がいるんだ…)
と思ったそうですが、今さら嘘だとも言えないんで

「でも、いたもん! 男の霊がいたもん!」
と言うと、
その女の子は、こう言うんです。

「だから、男の霊なんていなかったって。」
「いたのは女の霊。」

そして続けて言うんです。

「その女の霊、あなたの事をすごい形相で睨んでた…」
「『嘘つき嘘つき…嘘つき』ってずっと怒っていた。」
「その女の霊は、あなたについていく事に決めたそうだから。」

「本当に気をつけてね。」

その夜、嘘をついた女の子は眠れないですよね。 

今まで自分が嘘を言ってたばっかりに…
霊を怒らせてしまったんだ…
みんなに謝ろう…
そしてあの女の子に謝ろうと思ったそうなんです。

そして翌日になって
あの女の子を探しても居ないんですって。

で、友達に聞いたんです。
あの女の子はどこ?って。

そうしたら友達は口を揃えて、
こう言ったそうです。

『そんな女の子は知らないよ』と。